2021.3.20 18:09 宮城県で震度5強の地震がありました。大きく揺れた地域のみなさま、大事に至っていなければよいのですが。
中波AMラジオ放送は、技術的に、また伝搬特性としてFM放送や地デジ放送、ギガ帯の電波等では成し得ない様々な魅力があります。民放連のAM放送に関する状況や、NHKの予算削減に関わる中波放送の改革などで、中波AMラジオ放送はトーンダウンしているような状況ですが、あらためて、自然災害の多い日本では特に重要なメディアであるはずです。
視点を変えて、中波AMラジオ放送しか出来ない世界の一つに、鉱石ラジオの世界が有ります。凡そ100年の歴史をもつ鉱石ラジオは、長大な外部アンテナ線を工夫することで、ラジオ放送が聴けます。しかし、アンテナを長大にするには、広大な土地や大邸宅の所有者ならともかく、アンテナが制限される状況から実用性はいま一つな状況でした。回路を工夫し改良し、外部アンテナ線を不要とし、壊れにくい構造とし、携行性を高めて創造したものがフープラ(HOOPRA)です。磁界強度が高い地域では、実用的な防災ラジオと機能できることも確認してきました。このようなラジオが創造できる世界は、中波AM放送波だから拓かれるものであり、中波AMラジオ放送の決定的な魅力となるものです†。今後、無給電防災ラジオとして普及できれば、中波AMラジオ放送の重要性は大きく見直される、トーンアップする可能性があります。研究室では、HOOPRAに関しては基礎と応用研究の両面から多角的に知見集積を進めています。理想的な防災ラジオの創造も研究しています。
†超短波FM放送では送信側電力が低いことや、復調の問題などから、無給電ラジオとしては実用的にはなりません。
参考:

(画像CREDIT: NHK)

(画像CREDIT: tenki.jp)
#中波AMラジオ放送だから成せるワザ、#理想の防災ラジオの創造、#無給電防災ラジオ
Canonical URL:
https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2021/03/21/post-6331/
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