無電源ラジオフープラ(HOOPRA)に手回し発電機を内蔵した試作品 ~手回しHOOPRA

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基本的に、HOOPRAの大きな特徴の一つは無電源ラジオであることなのですが、電源機能を持たせてみました。この試作品は、『手回し発電ユニットの価値』を見極めるために、市販されていた手回し発電LEDライトを加工して、HOOPRAユニットにドッキングさせたので、取って付けたようなデザインになってます。デザイン的には全く納得していませんが、この試作の目的は、先ずは実際に使ってみて、使い勝手や性能を見極め、良ければ今後、専用の発電機ユニットを本体内に組み込んだ試作につなげるものです。

市販されている手回し発電ラジオと一線を画す何か特徴があるのかですが、机上の空論として、無電源ラジオの特徴が無くなるのではないか、これなら市販手回し発電ラジオの方がよいのではないか、などが想定できますが、今回、実際に使ってみると、これはこれで価値があることに気付きました。その一端を紹介します。

『無電源モード』と『電源モード』はスイッチで切り替えます。手回し発電は意外に疲れるし、ソーラーパネルは夜間や暗い所では使用出来ないので、電源モードはあくまで補助手段と考えます。防災ラジオとして強みを発揮します。

NHK福井第一放送(JOFG 5kw)の福井市下馬送信所からの放送を受信した例です。電源モードでは、福井県全域で受信できます。無電源モードでは、送信所から半径5~10km圏内での受信に制限されますが、充電を気にせずに受信可能です。全国の各都道府県において、NHKの5Kwクラスの送信電力は凡そ、一般的な出力なので、ざっくり、この知見は各都道府県に適用できる知見です。全国で使えると言うことです。

フックを利用してぶら下げることが出来ます。壁やベットの横などにぶら下げて、ラジオを聴くことが出来ます。

また、BCLやDXを狙うラジオ受信愛好家、さらに、建物がRC造でAM放送電波が受信しにくいケースに役立つ機能として、HOOPRAのループアンテナとしての機能があります。市販のラジオの感度を効果的かつ簡単に高めることができます。このようにラジオのそばに置くだけで機能します。

今や、手回し発電ラジオは世の中多く市販されています。そうしたものと比較した場合、本試作品を実際に使ってみて、少なくとも以下の価値が見出されました:

(1) 基本となっている『無電源ラジオ』は無電源モードで使えるようにしてある。このモードでは、5Kw送信所から半径が5~10km圏では無電源でラジオ放送が受信できる。メリットは、電源(充電の残り)を心配を一切せずに、ずっと聴ける点にある。また、乾電池式ラジオの『乾電池にまつわる問題』(予備電池の確保、液漏れで故障・汚損など)に一切直面しないメリットもある。

(2) 電波の弱い地域では電源モードで使う。これは、音声や電波を増幅する回路に電源を使うもので、超低消費電流(多くの市販AMラジオの凡そ1/50以下)になるように回路を工夫している。市販されている手回し発電ラジオには一般的なAMラジオ回路としてい直径が1cm程度の『バーアンテナ』が内蔵されているが、HOOPRAは直径が60cm程度の圧倒的に大きなループ状のアンテナを内蔵しているので、送信所からの磁界(磁束)をより補足出来る。電源モードにより、その信号を増幅するので、結果、圧倒的に高感度になる。

(3) ループアンテナとして機能する。これは近傍に置いた、AMラジオ(原理上、中波AMラジオは全てに対応)の感度を向上させる機能となる価値を有する。すなわち、そばに置いたAMラジオがHOOPRAと相互誘導し、簡易で高性能な外部アンテナとして機能する。BCLやDXを狙うラジオ受信愛好家にとっての活用が期待できることは勿論、建物がRC造で中波AM放送が受信しずらい状況でも受信感度を簡単に高めたり、海外放送電波との混信等で放送が聴きづらい時にそれを低減出来る手段となる。

(4) その他

現在市販されている多くの手回し発電ラジオは、内蔵蓄電池の劣化の問題(有償交換)を抱えている。例えば、1分の手回し発電で、仮に1時間使えても、災害時に10時間聴く間に、10回も回す必要がある。しかし1時間などあっという間に過ぎてしまう。現実の問題として、内蔵蓄電池は劣化するので、実際には1時間使えるものは少ない。また、買ったばかりの時は使えたものでも年月が経つにつれて、数十分程度などと短くなる。この場合、10時間聞き続けるには何回、回すことになるのか。そもそも、こうした手回しの労力が無ければ便利である。かと言って電池式ラジオでは上述の電池にまつわる問題につながる。はやり究極的には、無電源ラジオに行き着く。これ以上の便利さは無いと思われる。

今回、この無電源ラジオに、手回し発電機能を付加した。磁界強度が弱い(電波の弱い)地域では、そもそも無電源モードは利用出来ない。そうした状況では、電源モードに切り替えて、手回し発電で受信する。上述の通り、HOOPRAが内蔵しているアンテナは大型で高感度なので、電波の弱い地域では受信感度の向上に役立つアンテナを内蔵していることになる。つまり、手回し発電能力を持たせたことで、本来の無電源ラジオHOOPRAの良さに、電力を補助的に使って広域で聞き易くなる機能となっている。これは市販の一般的な『手回し発電ラジオ』とは設計思想が全く異なるものである。

無電源ラジオの価値と、その価値をより高める機能を付加したラジオになっていると思う。今後、この試作品の性能と使い勝手を見極めていく。

初稿 2020.8.20
校閲 2020.8.21

https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2020/03/20/post-5074/

https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2019/10/01/post-4212/

https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2019/09/17/post-4154/

https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2018/09/08/post-451/

https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2018/04/15/post-1822/

https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2018/04/09/post-1723/

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創造力への挑戦として、分子・ナノスケールからメートルスケールの先端マテリアル創造ものづくり研究室として福井大学で活動しています。 このサイトでは『役に立つ、実用的な』無電源ラジオ フープラを紹介してます。素材の特徴を活かした、ラジオ受信機の創造を目指しています。


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