特許登録のお知らせ:マルチループ型アンテナ、及びループアンテナ式無給電ラジオ(特許第7761258 号、特開2023-053837)|防災、携帯性と共振周波数制御の新展開 ― 福井大学 先端マテリアル創造ものづくり研究室

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福井大学 先端マテリアル創造ものづくり研究室では、このたび出願しておりました 「マルチループ型アンテナ、及びループアンテナ式無給電ラジオ」(出願番号:特願2021-163133)が、日本国特許庁より特許査定を受け、2025年10月20日付で特許登録されましたのでご報告いたします。


登録情報

  • 【特許番号】特許第7761258号

  • 【発明の名称】マルチループ型アンテナ、及びループアンテナ式無給電ラジオ

  • 【出願日】2021年10月1日

  • 【登録日】2025年10月20日

  • 【特許権者】国立大学法人福井大学

  • 【発明者】庄司 英一

  • 【代理人】弁理士法人大手門国際特許事務所



発明の概要

本発明は、携帯性に優れ、かつアンテナ線材以外の要素で共振周波数を調整できるマルチループ型アンテナと、これを応用したループアンテナ式無給電ラジオに関するものです。
従来構造で制約のあった設計自由度や小型化に対し、以下の技術的特徴を備えています。

・ループ状チューブ内に導電性アンテナ線材を複数回巻回して挿入
・チューブ内部に導電性/誘電性/絶縁性の固体・粉粒体・液体・ゲル・気体を充填または内装
・透明・半透明チューブを用い、蓄光材や蛍光材による機能性付与が可能
・導電性シートや塗布材を組み合わせた共振特性の安定制御
・これを応用した無給電ラジオにおいて、同調回路・復調回路・マイク回路を構成

これにより、軽量・携帯性と柔軟な共振制御の両立が可能となり、従来にない利便性を持つアンテナシステムが実現されます。


学術的意義と今後の展開

本発明は、環境電波を活用した 無給電ラジオの新しい実現方式 を提供し、

・災害時の情報取得手段の拡充
・教育や科学普及への応用(工作教材や実験装置)
・IoTやスマートテキスタイルへの展開

など、多様な応用可能性を持ちます。

今後は、学術的な検証をさらに進めるとともに、電波発電装置(特許第7749214号)との連携を含めて、防災・エネルギーハーベスティング・ユニバーサルデザイン領域における社会実装を目指して研究を推進してまいります。

CANONICAL:
https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2025/10/17/post-9180/


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