近年特に多発しているゲリラ豪雨などの異常気象や自然災害が問題になっています。MONOZUKURI LABでは安全安心な、災害時に役立つ工学技術について探究しています。
無給電ラジオHOOPRA(自重:180g)をスマホと連携させると、停電やネットダウンしても、ラジオからの情報取得をより確実にできる防災ラジオを提案できます。無給電ラジオHOOPRAと組み合わせた防災セット(非常用持ち出し袋)の提案です。一次持ち出し袋として中身を厳選しています。
参考例1(一次持ち出し対応、Ver. ME2020-1):
(参考:KANGOL, https://www.kangol.com)
(参考:adidas, https://www.adidas.de)
参考例2(一次持ち出し対応コンパクト、Ver. ME2020-2):
(参考:NIKE, https://www.nike.com)
(参考:ヒカリネット, http://hikari-bosai.com/)
メモ:
(1)現状、市販されているいわゆる小型の手回し発電機は、スマホや携帯電話を十分に充電するのに必要な電力が安定に供給できるものが少ない状況にある。実際やってみると、1%充電するための労力はあまり現実的ではない。ラジオやLEDライトの駆動であれば、1~2分の労力で15分程度使用できる状況なので便利。しかし避難所においては、手回し時に騒音が出るので、夜間などラジオを聴くには使用しづらい状況である。
(2)無給電ラジオHOOPRAは、磁界強度が比較的強いエリアでは無給電でAMラジオが聴ける。放送局の送信所が5KWクラスの場合、半径7~10キロ圏は聴ける。それ以外のエリアや、聴きづらい状況では、専用ケーブル1本による『スマホアダプタ』を介して、HOOPRAとスマホを接続し、スマホ用のステレオイヤホンでラジオ放送波が聴ける。HOOPRA側へは給電は不要、スマホ内蔵電池が続く限りラジオを聴くことが出来る。避難所に充電コーナーがあって、充電できれば、『地上波』のAMラジオ放送を連続して聴くことが可能になる。
(3)災害時にスマホでネットラジオを利用する場合の課題: 災害時にはネット回線が混雑したり、使えなくなることは想定の範囲であり、災害時ネットラジオは使える保証が無い。また、地方ローカルのNHK局の放送はネットラジオでは聴けない。
(4)乾電池式ラジオを使う場合の課題: 電池のメインテナンス(液漏れ汚損、完全放電)や替え電池を用意しておく必要がある。
(5)手回し発電式ラジオを使うことを考えている場合の課題: 避難所で騒音の問題になる。ニッカド電池やニッケル水素電池を内蔵の蓄電池になっている場合、経年劣化する。放電した状態では劣化する。電気二重層コンデンサを使ったものは、過充電に弱い。所詮コンデンサーなので蓄電出来る電気量に限りがあり、頻繁に充電する必要がある。1時間などあっという間に過ぎるので、例えば10時間ラジオを連続的に聴くことは労力的にも厳しい。
(6)どのラジオを利用するかは一長一短がある。無給電ラジオHOOPRAとスマホの連携はこれらの課題をほぼ乗り越えている状況にある。この手段の併用でラジオによる情報取得はほぼ完璧になると思われる。ラジオ放送内容の取得手段の革新として提案できる。
(初稿 2020.9.6)
https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2020/08/23/post-5689/
https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2018/09/08/post-451/
Canonical URL:
https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2020/09/06/post-5747/