能登半島地震の教訓から、半島防災・離島防災へ ― 中波AM放送波の「災害情報到達性」

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能登半島地震の教訓から、半島防災・離島防災へ

― 中波AM放送波の「災害情報到達性」

令和6年(2024年)能登半島地震では、停電、通信障害、道路寸断、集落の孤立などが重なり、災害時に「必要な情報を、必要な人へどのように届けるか」という課題が改めて浮き彫りになりました。

当研究室では、能登半島・珠洲市での実測をもとに、中波AM放送波の「災害情報到達性」について検討しています。

日本は、14,125の島々からなる海洋国家

日本は、14,125の島々からなる海洋国家です(※)

半島や離島では、地震や津波、豪雨などによって道路や通信インフラが被災すると、地域が地理的に孤立する可能性があります。

しかし、陸上交通や通信網の視点では孤立して見える地域であっても、中波AM放送波は海上伝搬などによって広域に届き、多方向から到達し得ます。

つまり、

地理的に孤立しても、中波AM放送波は多方向から届き得る。

という特徴があります。

これは、半島や離島に暮らす方々にとって、災害時の命を守るための重要な情報源となり得ます。

珠洲市で確認した「多方向からの到達」

能登半島・珠洲市での実測では、2024年当時まだ存在したNHKラジオ第2の全国高出力中波網を対象として、中波AM放送の受信状況を調査しました。

そこから見えてきたのは、

海上伝搬
広域到達
多方向からの到達

という中波AM放送波の特徴です。

半島の先端部は、陸上交通という観点では孤立しやすい場所です。一方、電波伝搬という視点に切り替えると、複数地域から届く放送波によって、外部との情報経路を確保できる可能性があります。

私は、このような性質を単なる「受信できる・できない」という問題ではなく、災害時に情報が実際に人へ届くかという「災害情報到達性」の観点から研究しています。

能登半島地震の知見を「半島防災」「離島防災」へ

能登半島で得られた知見は、能登だけの問題ではありません。

多数の半島や離島を有する日本において、災害時の情報インフラをどのように維持するかは、全国的な課題です。

能登半島地震から得られた知見を、これからの

「半島防災」
「離島防災」

における災害情報インフラ研究の基盤へとつなげていきたいと考えています。

特に、既存の放送インフラと電波伝搬の特性を防災の視点から改めて評価することで、新しい設備を一から構築するだけではない、災害情報伝達のあり方を検討することができます。

大学見本市2026でもご紹介します

この研究は、2026年8月27日・28日に東京ビッグサイトで開催される「大学見本市2026~イノベーションジャパン」でも紹介します。

会場では、中波AM放送の「災害情報到達性」をはじめ、放送波を活用した防災技術、電波発電、そして「半島防災・離島防災」への展開についてご紹介します。

研究成果をご覧いただくだけでなく、

「災害時に、情報をどうすれば最後まで届けられるのか」

という課題について、企業、自治体、研究機関をはじめ、多くの皆さまと議論できればと考えています。

大学見本市2026~イノベーションジャパン
日時:2026年8月27日(木)・28日(金)
会場:東京ビッグサイト 南展示棟 南1ホール
福井大学ブース:S-001

論文

arXiv:2608.11925
https://arxiv.org/abs/2608.11925


※14,125島は、国土地理院が維持管理する電子国土基本図を用いて、我が国の島を一定条件の下で数えた数です。令和4年1月時点の電子国土基本図を用いて計数。

出典:国土地理院「日本の島の数」
https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/islands_index.html

CANONICAL:
https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/2026/08/19/post-9659/


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