福井大学 先端マテリアル創造ものづくり研究室では、新たに「巻き取り式無給電ラジオHOOPRA」を開発しました。ポケットに収まるサイズでありながら、電池不要で放送波を受信できる新しい防災ラジオ技術です。

巻き取り式HOOPRAの特徴
・直径7cm(101g)、10cm(174g)とスマホより軽量で携帯性に優れる
・展開するとチューブ式HOOPRA直径60〜80cm級のアンテナに相当
・電池不要で停電時も利用可能
・巻き線の工夫による高感度化(特許技術 第7391301号)
高感度設計と実証結果
巻き取り式HOOPRAは、特許技術に基づく巻き線構造を採用することで、小型でありながら高感度な受信性能を実現しています。
実際に菖蒲久喜送信所からのNHKラジオ第1放送(594kHz)を受信し、半径80km圏でアナウンサーの声が聞き取れるレベルを確認しました。
コンパクトで軽量でありながら、広域での受信が可能であることを実証しています。
災害時の「最後の砦」
災害時には次のような状況が想定されます。
・停電(テレビは使えない)
・ネット寸断(ネットラジオは使えない)
・スマホ通信の輻輳(スマホは使えない)
こうした中でも、中波(AM)放送は受信が可能であり、情報取得の「最後の砦」となります。
NHKは今後も中波放送を継続する方針です。全国放送や緊急地震速報クラスの情報であれば、隣県のNHK局からの放送を受信することもできます。
地域局が被災した場合でも、広域災害下で隣県から確実に情報を得られる手段として極めて有効です。
外部アンテナ機能(配線不要)とスマホ連携
巻き取り式HOOPRAは単独で無給電ラジオとして利用できるだけでなく、お持ちの電池式の汎用AMラジオ(手回し式、ソーラー式、乾電池式などすべて)の受信性を向上させる高性能外部アンテナとして機能します(配線不要)。 これは、リスナー側の対策・工夫として、難聴地域や受信性の悪い一次避難所でのラジオの利便性を高められる技術として役立ちます。電波は届いているのに市販ラジオでは感度不足で受信できない――そんな場面を補う心強い味方となります。
・スマホアダプターと組み合わせてスマホで地上波のAMラジオの電波を直接受信できます(ネットラジオではありません)。
まとめ
巻き取り式無給電ラジオHOOPRAは、
・スマホより軽い携帯性
・電池不要で動作
・特許技術(第7391301号)に基づく高感度化
・展開時はチューブ式HOOPRA直径60〜80cm級のアンテナに相当
・災害時でも揺るがない情報取得
・スマホとの連携が可能(専用アダプター併用でスマホで地上波ラジオ受信が可能)
・手持ちの電池式の汎用防災AMラジオの高性能外部アンテナとして活用可能
(難聴地域や受信性の悪い一次避難所での受信対応にも有効)
を兼ね備えた、次世代の防災ラジオ技術です。
停電や通信障害、電源喪失といった状況下でも情報を届る、情報弱者に情報を届ける、高齢者には厳しいスマホ操作が不要で情報を届ける、本研究成果は、まさに「防災ラジオの新しい姿」を提示するものです。
炭素繊維材を使った折り畳み式で迅速に収納展開可能な専用のフレーム(超軽量)や汎用のハンガーなどを使って、インテリアとして吊して使用することもできます。災害時には命をまもる情報源になります。

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CANONICAL:
https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2025/10/26/post-9208/