特許登録のお知らせ:電波発電装置(特許第7749214号、特開2023-053836)|防災・IoT応用への展開 ― 福井大学 先端マテリアル創造ものづくり研究室

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福井大学 先端マテリアル創造ものづくり研究室では、このたび出願しておりました 「電波発電装置」(出願番号:特願2021-163132)が、日本国特許庁より特許査定を受け、2025年9月26日付で特許登録されましたのでご報告いたします。


登録情報

  • 【特許番号】特許第7749214号

  • 【発明の名称】電波発電装置

  • 【出願日】2021年10月1日

  • 【登録日】2025年9月26日

  • 【特許権者】国立大学法人福井大学

  • 【発明者】庄司 英一

  • 【代理人】弁理士法人大手門国際特許事務所


発明の概要

本発明は、伝搬する電波から効率的に起電力を得ることを可能にする電波発電装置に関するものです。
従来の構造では困難であった共振特性の安定制御や小型化に対し、以下の技術的特徴を備えています。

・導電性線材を複数回巻回したループ状コイル体による高感度受電
・共振周波数を調整可能とする導電体/絶縁体の配置
・端部を短絡しない導電性管体や導電層を用いた安定構造
・スイッチ回路・可変抵抗・コンデンサを組み合わせた共振特性の可変制御
・伝送用コイル体との近接配置による電力伝送機能

これらにより、電波エネルギーの高効率な取り出しと応用可能性の拡大が期待されます。


学術的意義と今後の展開

本特許技術は、環境中の放送波などに代表される微弱電波を有効活用し、

・無給電ラジオをはじめとするネット非依存型の防災通信手段
・センサーネットワークやIoTデバイスへの給電システム
・導電性テキスタイルと組み合わせた次世代スマートウエア

といった多様な応用展開を可能にする基盤技術となります。

今後は、学会発表や論文発表を通じた学術的検証を進めるとともに、産学連携を通じた社会実装を目指して研究を継続してまいります。

本特許の登録は、当研究室における電波発電研究の重要な成果の一つです。能登半島地震をはじめとする広域災害時の経験を踏まえ、社会実装可能な技術として発展させるべく、今後も研究を推進してまいります。

CANONICAL:
https://monozukuri.his.u-fukui.ac.jp/monozukurilab/2025/10/17/post-9177/


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